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性犯罪の罰則に関しての検討会に意見書を送付
投稿 2月 25th, 2015現在、性犯罪の罰則に関しての検討会が法務省で開かれ、審議を行っています。
公人による性差別をなくす会からも、検討会に対して以下の意見を送付しました。性犯罪の罰則に関する検討会様
2015年2月12日
公人による性差別をなくす会・性犯罪の法定刑の見直し(第1の1)
強盗罪と同等かそれ以上に引き上げるべき。強姦により、被害者は、精神的症状やPTSDなどを発症するなど、長く後遺症に苦しめられる。また、これまでの生活の質が著しく低下し、就労にも困難をもたらす場合が少なくない。加害者が拘置されている期間は、ある程度安心して暮らすことができる。このように、強姦は、著しい人権侵害であることを勘案すれば、強盗罪と同程度かそれ以上に引き上げる必要がある。同時に、強姦は社会的に許されないことであることを示すことでもある。・強姦罪の主体等の拡大(第1の2)
行為者及び被害者のいずれについても性差のないものとする・性交類似行為に関する構成要件の創設(第1の3)
肛門性交、口淫等の性交類似行為については、強姦罪と同様の刑、あるいは強制わいせつ罪より重い刑で処罰すべき・強姦罪等における暴行・脅迫要件の緩和(第1の4)
現行法及び判例上、強姦罪等が成立するには、被害者の抗拒を著しく困難ならしめる程度の暴行又は脅迫を用いることが要件とされている。
「いまから襲うぞ」と宣言する加害者はいないのであって、文字通り、被害は不意打ちのため、驚きと恐怖で身体は硬直し、凶器を隠し持っていないかと、そのことばかりがよぎり「殺されるかと思った」という被害者は多い。そのときの記憶を失っている人もいる。
暴行・脅迫を要件とすることの緩和を求めるが、緩和した場合の要件の基準はあるのかないのか。要件はなくす方向で考えられないか。
準強姦罪等の「抗拒不能に乗じて」という要件について、被害者が飲酒し、薬を混入され、「急に意識を失くした状態に乗じて」強姦された場合、被害者に記憶がなく、証明が困難である。被害者の意識と記憶は消えているが、薬の特性として、周囲からは意識がはっきりしているように見られることがある。「抗拒不能」をどのように証明すればよいのか。・地位・関係性を利用した性的行為に関する規定の創設(第1の5)
新設すること・いわゆる性交同意年齢の引上げ(第1の6)
暴行・脅迫がなくても強姦罪等が成立する範囲の規定は「第1の4」とも関わるが、18歳までとする。高校卒業程度の年齢であれば、法的手段をとる場合、情報等も得ることができる。また、強姦は社会的に許されないということを示すことでもある。年少者への加害は、加重罰にする必要がある。
・配偶者間における強姦罪の成立について(第1の7)
配偶者間でも強姦は成立することを明記する。DVの夫の場合、自身や家族に暴力が及ぶことの恐怖により、拒否できず、強姦され続けることがある。・性犯罪を非親告罪とすることについて(第2)
(準)強姦罪及び(準)強制わいせつ罪などすべての性犯罪は非親告罪とする。その場合、被害者の意思の尊重・プライバシーの保護などについては、別に規定する必要がある。
近親姦の場合、保護者が告訴権者になるが、経済的理由や恥辱、世間体他の理由で告訴に至らない場合がある。また、被告側弁護士から告訴取り下げの脅しをかけられるなど(宮﨑地裁公判)、被害者へ、さらなる精神的苦痛を及ぼす働きかけなどが予想される。・性犯罪に関する公訴時効の撤廃又は停止について(第3)
特に年少者が被害者である性犯罪について、公訴時効を撤廃する。年少者が被害にあった場合、加害者への恐怖をはじめ、「だれにも言ってはいけない」と脅されることがあること、周囲に迷惑をかける他などの理由で、法的手段に行きつくまでに時間を要する。また精神的症状に悩まされる、人間関係に困難を抱える、自殺念慮、PTSDなどにより、法的手段に訴える気持ちは十分にあっても、実際に訴えるまでには多くの時間を要することがある。・刑法における性犯罪に関する条文の位置について(第4)
強姦罪の保護法益について個人的法益である性的自由と説明されているが、現行の条文の位置は社会的法益の位置にあり矛盾している。殺人の次に置くべき