• 2011.11.30 田中聡沖縄防衛局長の差別的暴言に関する緊急抗議

    投稿 12月 2nd, 2011

    田中聡沖縄防衛局長の暴言に対する抗議行動報告

     去る11月28日、田中聡沖縄防衛局長が発言した暴言(後段に掲載)について、公人による性差別をなくす会では、直ちに抗議に向けて行動を起こしました。
    11月30日午後、緊急に諸団体・グループにも呼びかけ、10団体21名が、それぞれの抗議文を携えて防衛省に抗議申し入れを行いました。

      面談の冒頭、呼びかけ団体として、公人の会から、「田中局長の更迭という個人の進退で済む問題ではないこと」「政府は国会の場で謝罪すること」「辺野古基地建設のための環境影響評価書の提出を断念すること」を強く申し入れました。応対した防衛省担当者(小杉裕一大臣官房秘書課企画調整官、田邊英介地方協力局沖縄調整官先任部員)は、「防衛省全体として猛省すべきで、申し訳ない。沖縄に対して、傷つけ、不愉快な発言だったが、日米合意に従うことが現状ではより良いと判断する。」と答えました。参加者は口々に抗議、怒りの声を挙げ、「犯すという表現は無理やりやる、を意味している」「沖縄県議会、市議会の反対の意思をどう受け止めるのか」「政府は沖縄を慰安婦として差し出しているのだ」などと発言しました。
     15分という面会時間は約10分近く延長、問題の本質を理解したとはとても思えない担当官たちを残して防衛省を後にしました。2名の担当官とも、札幌自衛隊性暴力事件で昨年11月政府・防衛省が580万円の慰謝料を支払ったという事実を知らなかったことも明らかになりました。

                                                                                   2011年11月30日

    内閣総理大臣 野田 佳彦 様
    防衛大臣   一川 保夫 様
    内閣府特命沖縄担当大臣 川端 達夫 様

        田中聡沖縄防衛局長の差別的暴言に関する緊急抗議                                                                                    

                                         石原都知事の女性差別発言を許さず、
                                     公人による性差別をなくす会
     11月28日、沖縄防衛局の田中聡局長が、非公式の会合で懇談した際、米軍普天間飛行場移転先の環境影響評価書の提出時期を明言しないことに関して、「(女性を)犯すときに『これから犯しますよ』と言いますか」と発言したことに、私たちは、驚きと同時に怒りを禁じえませんでした。
     普天間飛行場の県内移設に関しては、県民を挙げての反対の意思表示が度重ねて明確になされています。環境影響評価書を云々することすら、県民の意向に反するきわめて暴力的かつ権力的な対応とみなさざるをえません。
     そのような中、このたびの田中局長の発言は、沖縄に対するかねてからの差別的発想が図らずも露呈したというに尽きると思います。この発言は、辺野古の環境影響評価書を提出するという行為が「強かん」に等しいとの認識を、沖縄防衛局長が持っていることを明らかにしたものです。思わず漏らした本音が、女性への性暴力になぞらえて表現されたという意味で、その犯罪性は倍加するといっても過言ではありません。
     政府が言う沖縄県民への誠心誠意の対応とは、たくさんの言葉を費やせばそれで済む、と言うものではなく、県民の納得が前提になることはいうまでもありません。辺野古新基地建設に関わる行為を「強かん」に例えたことは、沖縄県民の納得なしでも新基地建設を進めるという政府・防衛省の姿勢の表明だと、私たちは思います。
     今回の暴言の意味は田中局長の更迭で済むものではありません。政府・防衛省として沖縄県民ならびにすべての女性たちに国会の場で謝罪し、県民の意思を無視した環境影響評価書の提出を断念すべきです。
     私たちは、憲法擁護尊重義務を有し、女性差別撤廃条約や各人権規約、男女共同参画社会基本法を遵守する立場にある公人の性差別をなくすために活動を重ねてまいりました。その観点からも、今回の発言に見られるあからさまな差別性を指摘し、関係する公人の方々の猛省を促すと同時に、強く抗議するものです。                      以上  

    発言内容A   ㊟防衛省が聴取したもの。
     居酒屋での記者との懇談において、評価書の準備状況、提出時期等が話題になり、私から、「『やる』前に『やる』とか、いつ頃『やる』とかと言うことは言えない。」、「いきなり『やる』と言うのは乱暴だし、丁寧にやっていく必要がある。乱暴にすれば、男女関係でいえば、犯罪になりますから」といった趣旨の発言をした記憶がある。
     自分としては、ここで言った「やる」とは評価書を提出することを言ったつもりであり、少なくとも、「犯す」と言うような言葉を使った記憶はない。
     しかしながら、今にして思えば、そのように解釈されかねない状況・雰囲気だったと思う。
     私としては、女性を冒とくする考えは全く持ち合わせていないが、今回の件で女性や沖縄の方を傷つけ、不愉快な思いをさせたことを誠に申し訳なく思い、お詫び申し上げたい。
     
    発言内容B
    ㊟第Ⅰ報は29日付「琉球新報」朝刊  以下は非公式懇談会に出席した時事通信による田中発言要旨
    ――防衛相は環境影響評価書を「年内に提出する」ではなく「年内提出の準備を進めている」と曖昧に言っているのはなぜか。
     (女性を)犯すときに、「これからおかしますよ」と言うか。
    ――沖縄は66年前の戦争で軍がいたのに被害を受けた。
     400年前の薩摩藩の侵攻のときは、琉球に軍がいなかったから攻められた。「基地のない、平和な島」はあり得ない。沖縄が弱いからだ。
     政治家は分からないが、(防衛省の)審議官級の間では、来年夏までに米軍普天間飛行場の移設問題で具体的進展がなければ辺野古移設はやめる話になっている。普天間は、何もなかったかのようにそのまま残る。

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