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2010.10.26 中山政務官に公開質問状
投稿 11月 7th, 2010経済産業省の中山義活政務官のAPEC「女性起業家サミット」での女性差別発言について、公開質問状を送りましたのでご報告します。
経済産業省政務官 中山義活 様
石原都知事の女性差別発言を許さず、公人の性差別をなくす会
公 開 質 問 状
私たちは、石原都知事の女性差別発言を告発し、また政治家、政府高官など公人の性差別発言に反対して運動を続けているNGOです。
国内外の第一線で活躍する女性起業家らを招き、岐阜市で10月1日に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の「女性起業家サミット」において、あなたは経済産業省の政務官として挨拶を行い、「日本の女性は家庭で働くのが喜びとしているし、文化になっている」などと発言したと報道されています。
どのようなお考えで発言したものか理解できませんが、APEC開催国として開催の趣旨に反する内容であることは明白です。
日本政府は、1985年国連の「女性差別撤廃条約」を批准し、国内の法整備にむけて努力をしてきました。その趣旨は性別役割分担意識を見直し、男も女も働き、家事労働も分担していくことであり「男女共同参画社会基本法」等として推進されてきております。しかし、日本においてなかなか改善されない女性差別の現状に対して、国連の女性差別撤廃委員会からの多岐にわたる「勧告」が出されているのが現状です。
そうした日本国政府にとって今回のAPECでは、アジア太平洋地域において経済発展を推進する原動力として女性の社会進出と地位向上をめざすとともに、リーダーシップを発揮していくことがきわめて重要な任務であったと考えられます。あなたの発言はそうした任務にそむいた時代遅れの発言です。ましてや国内外の第一線で活躍している女性起業家に対して、女性の家庭役割を強調し、文化とまで断言するとは、日本における後進性を宣言する恥ずべき行為ではないでしょうか。
多くの女性から抗議が殺到しているということですが、あなたはご自身のご見解をきちんと表明すべきであると考え、下記のとおり質問いたします。
記
1. 女性起業家サミットの参加者に対して、あなたがアピールしたかった趣旨は何だったのでしょうか?
2. 女性が職場や社会で働く権利があると考えていますか?
3. 女性が自分で会社などを設立し経営することは、好ましいことだから推進すべきだと考えていますか?
4. 家庭責任(家事や育児・介護など)は主に女性の役割だと考えていますか?男女共同の責任だと考えていますか?
5. 「日本の奥さんは力がある。デパートに行けば、初めに子どものもの、次に奥さんのもの、その次がペットのもの。4番目にご主人のものを買う」とも発言されたそうですが、その趣旨はどういうことですか?日本では、女性の家庭での決定権が強いということを言っているのですか。「日本の女は家庭でしっかりやっているし、それが女の役割なんですよ」と強調したかったのですか?
6. 現在、菅内閣では、今年末に向けて第3次男女共同参画基本計画を策定中ですが、今年7月23日に出された「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的考え方(答申)」を読んだことがありますか?読んでいなかったらぜひ早急に読んでください。
7. 昨年国連男女差別撤廃委員会に提出された日本政府の報告書(第6次レポート)、それに対して委員会から出された「最終見解」を読んだことがありますか?それには、「29.・・・委員会は、公務員(公人)による性差別的な発言が頻繁に起きていることおよび女性に対する言葉の暴力を防止し処罰する措置が取られていないことに懸念を表明する」と述べられています。
以上の質問に対してAPEC首脳会議が開催される11月13日までに文書にてご返答をお願いいたします。
また、私たちは、あなたご自身の発言が「性別役割分担意識」というステレオタイプそのものの発言であったことを認め、当日集まった「女性起業家」の皆様と私たち日本の女性たちに謝罪し、発言を撤回されるよう要請いたします。 なお、この公開質問状及びご回答は、マスコミに公表させて頂きます。
内閣総理大臣 菅 直人様
石原都知事の女性差別発言を許さず、公人の性差別をなくす会
公 開 質 問 状
私たちは、石原都知事の女性差別発言を告発し、また政治家、政府高官など公人の性差別発言に反対して運動を続けているNGOです。
国内外の第一線で活躍する女性起業家らを招き、岐阜市で10月1日に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の「女性起業家サミット」において、経済産業省の中山義活政務官は「日本の女性は家庭で働くのが喜びとしているし、文化になっている」などと発言したと報道されています。中山政務官がどのようなお考えで発言したものか理解できませんが、APEC開催国として開催の趣旨に反する内容であることは明白です。
日本政府は、1985年国連の「女性差別撤廃条約」を批准し、国内の法整備にむけて努力をしてきました。その趣旨は性別役割分担意識を見直し、男も女も働き、家事労働も分担していくことであり「男女共同参画社会基本法」等として推進されてきております。しかし、日本においてなかなか改善されない女性差別の現状に対して、国連の女性差別撤廃委員会からの多岐にわたる「勧告」が出されているのが現状です。
そうした日本国政府にとって今回のAPECは、アジア太平洋地域において経済発展を推進する原動力として女性の社会進出と地位向上をめざすとともに、そのためのリーダーシップを発揮していくことがきわめて重要な任務であったと考えられます。中山政務官の発言はそうした任務にそむいた時代遅れの発言です。ましてや国内外の第一線で活躍している女性起業家に対して、女性の家庭役割を強調し、文化とまで断言するとは、日本の後進性を宣言する恥ずべき行為ではないでしょうか。
中山政務官の任命権者として、あなたには中山発言をどう認識し、いかに対処されるのかを明らかにする責任があります。下記の質問にお答え下さい。
記
1. 女性起業家サミットでの中山政務官発言について、経済産業省から報告を受けていますか? 2. 中山政務官発言は、貴内閣が進める男女共同参画政策に合致していますか? 3. 中山政務官発言は、APEC「女性企業家サミット」の開催趣旨に合致していますか? 4. 中山政務官は「女性企業家サミット」での当該発言を撤回し、すべての女性に謝罪すべきだと考えますか? 5. 中山政務官の任命権者として、今回の問題にどのような対応をされますか?
以上の質問にAPEC首脳会議が開催される11月13日までに文書にてご回答下さい。