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2021.2.4 急きょ謝罪会見 森会長 なげやりな発言
投稿 2月 4th, 2021「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」など、女性を軽視するかのような自身の発言を巡って、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は4日、東京都内で急きょ記者会見を開き、発言の撤回と謝罪の意思を表明した。しかし、その真意を繰り返し問われると、回答は徐々に投げやりになった。
午後2時過ぎ。黒のスーツを着た森会長は「おお、今日は人が多いな」と軽妙な調子で話しながら、約40人の報道陣が待つ会議室に入った。冒頭、手に持った紙に目を落としながら、「ご心配をかけて恐縮している」「深く反省して、発言を撤回したい。おわびを申し上げたいと思います」とゆっくり読み上げた。
しかし質疑が始まると、いらだちを隠せなくなった。辞意を問われ、「皆さんが邪魔だと言われれば、おっしゃる通り、老害が粗大ごみになったのかもしれません。そしたら掃いてもらえば良いんじゃないですか」と自嘲気味に返答。「国際オリンピック委員会(IOC)に説明するのか」と聞かれると、「そんな必要はないでしょう。いまここで(説明)したんだから」と険しい口調になった。
「会長は女性の話が長いと思っているのか」という質問は、「最近は女性の話を聞かないのであまり分かりません」。組織委会長として適任と思うかと問われると、質問した記者を見て「さあ、あなたはどう思いますか?」。辞めた方がいいと応じられると、「はい。じゃあ、そのように承っておきます」と返した。
さらに、「女性が多いと時間が長くなるという発言を誤解と表現していたが、これは誤った認識ではないのか」という質問には「(競技団体から)そういう風に聞いておるんです」と答えていた。「おもしろおかしくしたいから、聞いているんだろう」と気色ばむ場面もあった。
批判一辺倒の空気を変えようと臨んだ記者会見だった。3日の発言の反響の大きさに驚き、森会長は4日朝、自らが組織委幹部に連絡して記者会見をセットした。明確な謝意を国内外に示そうとしたはずだったが、後味の悪さが残った。
会見を聞いた組織委幹部はため息をついた。「あれでは伝わらないな。逆効果だった」(野村周平)朝日デジタル