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MXテレビ「東京の窓から」 松井孝典×石原慎太郎対談
MXテレビ「東京の窓から」 松井孝典×石原慎太郎対談
放映 2001年秋 タイトル 1万年目からの新・人類 ―宇宙・地球・人間圏―石原発言の論拠とされているMXテレビでの松井孝典さんとの対談をビデオで検証した。関連すると思われる発言は、約1時間の番組の前半15分あたりでの松井さんの発言である。以下、なるべく忠実に再現する。
(ふたりの対談は、人類・地球があと何年もつか、せいぜい50~60年ではないか、という石原知事の導入から始まり、その流れから、松井さんが、いまのわたしたち人類=現生人類について話す、という展開ですすむ)
〈松井〉(500年万年前に人間が出現したが、いまのわれわれ=現生人類の歴史はたかだか十数万年である。それまでにさまざまな人間が出現しては滅亡している。)
われわれだけがなぜ、人間圏という特別なものをつくって1万年繁栄を続けたのか、っていうのは、実は、現生人類がもっている生物学的特質によるのかもしれないんですよ、脳の中の。
それはふたつあると言われていて、ひとつは「おばあさん仮説」って言うんだけど。
現生人類だけがおばあさんが存在する。おばあさんっていうのはね、生殖年齢を過ぎたメスが長く生きるっていうことですよ。普通は生殖年齢を過ぎるとすぐ死んじゃうわけ、哺乳動物でも、猿みたいなものでもね。あるいはネアンデルタールもそうだったんじゃないかと言われている。おばあさんっていうのが存在するのは、われわれ現生人類だけですよ。これがいろいろな意味で人口増加をもたらすんですよ。そのためにアフリカにいた人類がダーと世界中に散っていって、それでさらにこういう人間圏をつくった。
それともうひとつは、言語を明瞭に発音できること。(発声器官の特質として、明瞭な発言ができることが抽象概念の言語化と伝達を可能にし、それが共同幻想を可能とした。人口増加と共同幻想がいまのわれわれの繁栄をもたらしている。貨幣・愛・人権・民主主義・市場経済等など・・・の共同幻想を原理だと思い込む地球システムのなかで、われわれは生きている。という趣旨の発言がつづく)この松井さんの発言の間、石原知事は「ウン」とか「ハハ」という合いの手を入れるだけで特別のコメントはしていない(少なくとも、放映された部分の限りでは。そしてわたしたちは、とりあえず、公になった素材から判断するしかない)。
この後対談は、共同幻想についてのやりとりから、人類の文明が限界に来ているという石原知事の自説展開と進んでいく。