• 女性たちの受けた被害

    女性たちの受けた被害

    裁判の原告たちは、石原都知事の女性差別発言に傷つき、怒り、自分の生き様をかけて一人ひとりが陳述書を書き裁判所へ提出。また、法廷で陳述した。その詳細は「131人の女たちの告発」(明石書店刊)を参照。

    子宮のない私、生理のない娘、でも「生きててよかったネ」

    私は、石原都知事の発言を聞いて「エッ、何それ?」とビックリ。私はその発言の1年前に子宮摘出したばかり。地域の信頼や人間関係を大切にしながら地元で働き、自分の人生の中で今が一番充実している年齢だと自負している。娘は摂食障害で長い間生理がない。生命の危機にまで陥ったことがあるが、今回復し、南の島で自活している。生きているだけでいい。「生きててよかったネ」と言いたい。石原知事はそんな娘まで傷つけたのだ。

    私に「死ね」ということですか?

    私は47歳。私には子どもがいない。妊娠・出産・子育てをしたいと強く願っていたが、3度の流産の末、あきらめざるをえなかった。石原知事の発言は胸に突き刺さる言葉だった。私は私の胸に突き刺さったこの矢をみてほしい。それで流された多くの血と涙を見てほしい。

    ひとりの女性として、教員として

    私は57歳、小学校の教師。11年前、夫を亡くし2人の娘とささやかに生きてきた。私たち3人を支えてくれたのは母、叔母、妹の3人。3人とも生殖能力はないし、私もそうだ。いま、教育現場では石原知事をまねた独裁的な人物が増えて、上意下達の体制の中、息苦しい雰囲気が蔓延している。時には反抗的な子どもから「ババァ」という言葉をあびる。現場の教師は歯を食いしばって涙しながらも頑張っている。石原知事の発言は、男女平等教育の最大の妨害だ。

    記者会見での発言は更なる名誉毀損です

    苦痛の救済を求めた裁判が「裁判のための裁判」「パフォーマンス」ですって?! 私が裁判で訴えた被害や精神的打撃が偽りであり、なかったことですって?! 私は石原知事の「ババァ発言」が載った「週刊女性」を目にして酷く打ちのめされたからこそ、この状況を打ち破るために裁判に訴えた。私たちの訴えにきちんと向き合わなかった知事が、記者会見という知事の特権を利用して侮辱と名誉毀損を上塗りしたことは絶対に許せない。

    女性はシャケ以下なのか!

    私たちが石原都知事の女性蔑視発言を知ったのは、市販の週刊誌。それをある会合に参加していた「へんな左翼」から広がったなどというのはとんでもないウソ!根拠のない言いがかりだ。その上、シャケが産卵したら死ぬ、などとシャケを女性になぞらえるなど、見当違いもはなはだしい。こんな人が都知事なんて情けない。

    私たちは沈黙しない。差別と暴力に不屈に闘いつづける

    石原知事の発言によって強化されていく差別と暴力の脅威を、これ以上許せない。沈黙することがその暴力を許し、助長するということを私は慰安婦にされた人たちの闘いから学んだのだから。